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シェルター学生設計競技2004
審査結果発表・入賞作品
「1,000m3・木・住宅」

住宅をプランからではなく空間から考えたい。 だから最初に、1,000m3というヴォリュームを設定します。 このヴォリュームは空間の大きさでもいいし、木材量ととらえてもいい。 つまり、空気量が1,000m3とするのか、木材量1,000m3をもちいてどのような空間を獲得するのか?まず、これを選択してください。 ここでは、そのヴォリュームは、木でできていることが条件です。「木」だからできることを考えて欲しい。 そして、そのヴォリュームの中に生活をインストールすることで、その空間が住宅になるという順番です。何人住んでもいいし、単に住むという以上のプログラムがビルトインされていてもいい。住宅らしい住宅は期待していません。 もし、そのヴォリュームが大きすぎると感じたら、その大きさをどう生かすことができるかが建築家の腕の見せ所というわけです。 最後に、デザインコンペであるからには、(ほんとうはコンペでなくても、ですが)空間の美しさや新鮮さはとても大切です。









   ■審査員
審査員長 プロフィール 小嶋 一浩 (東京理科大学教授)
審査員 プロフィール 相羽 康郎 (東北芸術工科大学 環境デザイン学科教授)
プロフィール 阿部 仁史 (東北大学大学院 工学研究科教授)
プロフィール 杉山 丞 (東北大学大学院 工学研究科助教授)
プロフィール 松井 壽則 (日本大学工学部 建築学科助教授)
プロフィール 元倉 眞琴 (東北芸術工科大学 環境デザイン学科教授)
   ■審査結果発表・入賞作品

最優秀賞 turn the Territory in side out
遠田 博史・東京工業大学大学院総合理工学研究科人間環境システム専攻奥山研究室修士1年
優秀賞 Read between the lines
針谷 將史(代表)横浜国立大学工学府建築学科大学院修士1年
岩崎 宏・東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修士1年
遠渡 知里・横浜国立大学工学府建築学科大学院修士2年
優秀賞 1000m3=64Actions
小川 宏美(代表)東京家政学院大学家政学部住居学科4年
金井 千恵・同上
入選 振動する空間
青柳 創・東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修士2年
入選 [3.3*3.3*92]House
植木 康剛(代表)前橋工科大学大学院工学研究科建築学専攻2年
藤田 靖人・同上
入選 between 2 plates
小俣 裕亮・筑波大学大学院修士課程芸術研究科1年
入選 The Voice of Architecture
御前 光司・筑波大学大学院修士課程芸術研究科2年
入選 木漏れ日の家
小林 大祐・千葉大学大学院自然科学研究科建築専攻修士2年
奨励賞 sliced woods filter
阿部 信之(代表)法政大学大学院工学研究科建築工学専攻1年
大石 卓人・同上
八里 直輝・同上
奨励賞 Roundish Housing
奥野 幹(代表)東北大学大学院都市・建築学専攻修士1年
出口 亮・同上
奨励賞 皮膜の家
福島 康生(代表)広島工業大学環境学部環境デザイン学科4年
梶西 則吉・同上
奨励賞 カキワリの家
佐藤 源(代表)ICSカレッジオブアーツ インテリア&アーキテクチャーデザイン科3年
山岸 秀世・同上
   ■総評

エントリー総数が344案にのぼり、その上、内容・プレゼンテーションの両面で質の高い提案が多かったから審査はたいへんだけれどやりがいのあるものでした。東北学生設計競技としてスタートしたこのコンペは今回が第6回です。山形という地方発のコンペにこれだけの関心が集まっているのは、とてもいい。「卒計日本一決定戦」の仙台といい最近は東北が元気です。

さて、応募案の中からセレクションに残ってきたものは、大別すると木によってどのように空間を組み立てるのかという形態の操作などの「方法」に特化したものと、木に関係なくはないが1000m3の操作がメインテーマのものに分かれました。第1回から課題で「木」をテーマとすることが継承されているわけですが、そろそろ「木」の用い方が出尽くした感があるのが、少し残念でした。「用いる」のではなく「取り扱い方を考える」ととらえれば、もっと多くの可能性があるように思われるのに、そうした案が意外に少なかったようです。もうひとつは、1000m3という設定を先に持ってくることで、「住宅」と聞いたときに出てきてしまう先入観から自由になってほしいと願ったのですが、やっぱり「日本の戦後の住宅のステレオタイプ」から脱出できていないなあ、と思われる案が多かったのも残念です。

そんな中で最優秀案はしっかり木によって空間を組み立てる方法を設定してそれを「住宅」へと還元しています。余計なところで「上手すぎる」ことには抵抗がありますが、それでも「方法」と「質」の両方を高いレベルで兼ね備えていることは間違いない。2等の2作品は最優秀案とは異なり「方法」に特化したものです。1000m3ゆえのゆとりあるいは過剰な空間をどう取り扱うかで、一方は入れ子になった箱の合板のあいだの空気、もう一つは行為に過剰に対応した分割された空間という提案。前者はもう少しだけていねいであれば、後者はそうやって生まれた空間がここまで貧しいものではなく、例えば高さだけは変えてもいい、といったことをやって空間の質に関心を向けてくれれば最優秀になりえたかもしれません。

審査員長 小嶋 一浩

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学生設計競技2003「21世紀の木造住宅」
東北学生設計競技2002「ながい・空間」
東北学生設計競技2001「小さな小屋」
東北学生設計競技2000「現代の大屋根の家」
東北学生設計競技1999「木のシェルター」